噛みつき・引っかき等のトラブルを考える~「保育園で起きたことは保育園の責任」の意味~

先日、保育園での噛みつき・引っかきについてツイートをしたところ、たくさんの反響をいただきました。

今回は、噛みつき・引っかきといったトラブルに関して、私が保育士として思うことを書いてみたいと思います。

※あくまで一保育士の意見です。それぞれの保育園・保育士によって考え方が違う部分もあると思うので、ご了承ください。

「保育園で起きたことは保育園の責任」の意味

前述のツイートを見て、夫が言いました。

夫

そもそも『保育園で起きたことは保育園の責任』なの?「ブランコが老朽化してて怪我した」とかならそうだろうけど
夫

親としては、保育園で起こったことでも『子ども同士のトラブルは親の責任』って意識が強い気がする

これはあくまで夫の意見ですが、実際そう捉える方も多いのかもしれません。

でも、保育園はお子さん一人ひとりがケガや大きなトラブルなく、元気に、一日を過ごせるようにするのが鉄則です。

保育園にいる間は、例え子どもが自分で転んでケガをしたとしても、子ども同士のケンカで傷が残っても、原則としてその責任は保育園・保育士側にあります。何かが起こってしまった際は、なぜそうなったのか・どうしたら防げたのかなど今後の対策も含めて報告書を出したり、検討したりする保育園が多いです。

ケガやトラブルは『子どもがしたこと』ではなく『保育園側での配慮不足』と捉え、

  • その場に対しての保育士の数は足りていたか
  • 子どもたちの遊び方はどうだったか
  • 保育士から子どもへの声の掛け方は適切だったか

などなど、同じトラブルは繰り返さないよう保育士側がどうしていったら良いかを考えるのが基本です。

親という立場から噛みつきや引っかきという出来事に遭遇した時、ケガをしてしまった側・させてしまった側、どちらもショックを受けると思います。

でも、どうか、ケガをさせてしまったその子を責めないであげて下さい。

保育園で起きたことは、保育園の責任です。



「噛む子=乱暴な子」ではない

夫

保育園の責任とは言っても、噛むのはあかんことやし叱った方がいいよね?

夫が言うように「噛む(引っかく)」などの攻撃行動自体はいけないことですし、してはいけないとハッキリ伝えなくてはいけません。保育園でも、もちろん注意をします。

いけないことでありながらも「責めないであげてほしい」と思う理由は「それが保育園の責任だから」という以外に、もう一つあります。

それは、噛みつきや引っかきに代表される幼い頃の攻撃行動は「子どもの発達の上で自然に通る道だから」です。

噛みつき・引っかきは、主に1歳児クラス(2歳になる学年)で多いと言われています(もちろん個人差はあります)

この時期の子どもたちは『ボクの!』『自分でやる!』などなど、自分中心の思いがいっぱい。でもまだ、お互いにきちんと言葉で表現したり、相手に伝えたりする手段を持っていません。

表現はできなくても「あれが欲しい!」「これがやりたい!」という思いは溢れているわけで、その要求を通すための一番手っ取り早い手段が噛みつき・引っかきなど、相手を攻撃する形で現れてしまうことが多いようです。

(もちろん、思いの表現の仕方はそれぞれです。噛みつき・引っかき以外にも、叩く・突き飛ばすといった形もありますし、物を投げたり、自分の手を噛んだりと色々な表現があります)

まだうまく表現ができていない拙いものではあるけれど、子どもたちなりの気持ちの伝え合いのひとつが「噛みつき(引っかき)」です。そこに大人が思うような「悪意」や「いじめ」といった意図はありません。

だから、噛み付く・引っかくといった行動をするその子自身が「乱暴な子」なわけではありませんし、もちろんその保護者さんの育て方が悪いわけでもありません。

噛みつきなどの行為に込められたその子の思いを受け止め、相手を傷つけることはしてはいけないと伝えるのが保育士の役割です。

もちろん、そもそも噛みつきや引っかきなどを成功させない(ケガになる前に止める)ことが一番なのですが。

保護者の方へ

今回この記事を書いたのは、冒頭にあげたTwitterでの書き込みをきっかけに、ケガをさせてしまった側・させられてしまった側、どちらの保護者もそれぞれに悩んでいる声を耳にしたからでした。

私が好きな神田先生(発達心理学教授)は、本の中でこう書いていらっしゃいます。

かみつかれた子どもも痛いけれど、その子の親も切なくなります。

しかし、かみつく子どもの親の苦悩も深いものです。何度言い聞かせても噛み付きが止まらない。

「だれか、私の子どもをかんでください。そうすればこの子にもかみつかれる痛さがわかるから」と心の中で叫びたくなるときさえあります。

出典元:「育ちのきほん―0歳から6歳(はじめての子育て)」45P

保育園で起こったことは保育園の責任。保育士が絶対に防がなくてはいけないことです。

でも、どうしても防げないこともあります。

保育園側からの状況や対応についての説明が十分でなかったりする場合は特に、不安な気持ちは大きくなるのではないかと思います。

本来、子どもの発達について、その子それぞれの育ちや課題や対処法について納得いくまで保護者さんに伝え、一緒に子どもを見守っていくのが保育士の役割だと私は思っています。

しかし、保育士が足りなかったり、シフト勤務の関係上お迎え時に担任がいなかったりと、様々な事情で保護者さんに伝えきれていないことがあるという現実も、幾つかの保育園を回る中で感じています。

そんな中、保護者の皆様に少しでも何か伝えられたらと思い、Twitterの補足としてこの記事を書きました。

  • 保育園の責任だから
  • 発達の上で通る道だから

だからといって、トラブルそのものが消えるわけではありません。

保護者さん同士の関係の中では、噛んでしまった側は相手側に謝ったり、同じ子ども同士のトラブルが続いて気まずい思いをしたりということもあるかもしれません。

それでも、この記事が読んでくださった方の気持ちに少しでも届くことを願います。

・・・・

と、書いてきたものの、ちっともうまくまとまらなかったので、最後に素直な私の気持ちを書いて終わろうと思います。

【お子さんが噛まれた時】

「そんなことするなんて○○くんは乱暴!ひどい子!」と思わないであげてほしいです。その子が乱暴なわけではないんです。

責めるならせめて、その子を止めてあげられなかった保育園を責めて下さい。ごめんなさい。

【お子さんが噛んでしまった時】

「なんでそんなことしたの!?」とお子さんを責めないであげて下さい。保育園でしっかり注意されているようなら、おうちではあえて注意する必要はないかもしれません(保育園の考え方・指導法にもよります)

「噛むなんて、自分の育て方が悪かったんじゃ?」と思わないで下さい。発達の上で通る道です。お子さんもきっと、大きくなっていくために奮闘している真っ最中です。

またいずれ、

  • なんで噛むの?引っかくの?~色々なパターン
  • 噛む癖をつけないために、おうちでできること

などなど、もう少し詳しいところを書いてみようかと思っています。

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