妊娠・出産

【初めての出産レポ】破水疑惑から出産、夫の立ち会い、後陣痛まで初産のすべてをまとめました

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ついに私にもその日が来た!

この記事では、長男出産時の破水疑惑から後陣痛まで、Twitterで実況していた内容をもとにまとめています。

私自身、妊娠中にたくさんの出産レポを読んでイメトレしたり、勇気をもらったりしていました。この記事がどなたかのお役に立てることを願っています。

夜中に破水、そのまま入院が決定

ピンク色のおりもの、これは破水?

【1:15】

いつもと同じかんじで目が覚める。

やっぱり寝起きはお腹が張ってるなぁ、うーん、でもなんかお股のほうがチクッとするかんじというか・・・微妙にいつもと違う感覚?まさか?

とりあえず痛みの感覚を測っておくか、ということで陣痛アプリを起動。

ん?なんか出たような気がする、おりものかな?ティッシュで拭いて色を確認、特に異常なし。よし寝よう。・・・と思ったけど、またなんか出た?

ティッシュで押さえるとビショッと濡れる感覚。これはもしや?と思って電気をつけてみると、ティッシュがうっすらピンク色になっている。

私:ねぇ、あの、破水したわ

夫:んー?ん?え?破水??

寝ぼけている夫、まだ状況つかめず。

タクシーで産婦人科に向かう

【1:20】

産婦人科に電話して状況を伝えると、

  • すぐに入院用の荷物一式を持って受診
  • 産褥ショーツを履き、大きめのナプキンをしてくるように

と言われる。

夫も一緒に行っていいか聞くと「破水かどうか確認して、入院になった場合は旦那さんは一旦帰ってね」と言われる。電話対応の感じが悪すぎて、逆にこちらの気持ちが冷静になる。

夫にタクシー手配を頼み、パンツを履き替えて入院用の荷物を確認。

その間にもビショビショ何か出ているのを感じるが、色を見ると黄色い気もする。おしっこ?でもこんな漏れ方は今までしたことがないし、うーんなんなんだろう・・・とりあえず準備を進める。

夫が陣痛タクシーに連絡するも、今は手配できないと言われる。他の会社に連絡してもつながらなかったり、今は無理と言われたり・・・焦る。

入院準備が終わった私もタクシー手配に参戦。数分後、はじめに電話したところから連絡あり「今ちょうど空いたので向かいます」とのこと。

【1:50】

タクシー乗車。

運転手:病院はここで間違いない?近道とかあるかな、大丈夫?!

夫:大丈夫です!ヒナは大丈夫?痛くない?!

私:ん?全然だいじょーぶだよー!

なぜか一番冷静な私、スマホに経過を記録。胎動もいつもどおり元気いっぱい!

破水じゃなかった、やっぱり破水だった、入院決定

【2:00】

産婦人科に到着。分娩室でモニターを付け、破水かどうかチェックすることに。夫は荷物を持って待合室で待機。

が、しかし・・・

「これ、おしっこだね。試験紙が反応しないから羊水じゃないよ」

「お産近くなるとこういうこともあるから」

「もうしばらくモニター付けて赤ちゃんが元気か確認して、先生に診てもらったら帰ることになると思うよ」

そう言って看護士はどこかへ移動。夫に「破水じゃなかった」とLINEを送る。

そういうこともあるよな、だってわからんしさ、不安だったら病院来るしかないしさ、これで良かったんだって。

自分に言い聞かせるも、情けないやらこんなダラダラ尿もれするなんてあるのか?と疑問やら、夫を巻き込んでしまった申し訳なさやら・・・その気になった自分がバカみたいに思える。

隣の新生児室から、赤ちゃんの泣き声が聞こえる。「ホンギャア、ンギャア」って声を聞いた瞬間、涙が止まらなくなる。

が、その間にもやっぱり何か出ているのを感じる。もしかしたらもしかするかもよ?と、ほんのちょっとだけ心のどこかで期待する。

【2:30】

医師と看護士が来る。

看護士に泣いていたのがバレ、「なに泣いてんのー!?」とびっくりされる。だってもうなんかよくわかんなくて・・・しゃべるとまた涙がブワッと出る。

医師:はい、じゃあ内診しますねー。・・・ん?破水してるよ?

私:え?

看護士:え?

医師:破水してるからこのまま入院だね。子宮口はそんな開いてないから、とりあえず抗生剤飲んで陣痛待ちだねー

よくわからないまま、入院が決定する。

看護師さん曰く、はじめにチェックした時点では色も試験紙の反応も完全におしっこだったんだとか。私の体に何が起こっていたのかは結局不明。

とりあえずお産パッドを付けられて分娩台を降り、ブワーッと入院説明をされる。抗生剤もその場で手渡される。病院から渡される入院セットの説明をされ、持ってきた新生児服を看護士に預け、何やらバタバタ。

  • 破水しているため、一日3回抗生剤を飲むように
  • 長くても5日以内には生まれる(出てこなければ帝王切開もありうる)
  • 絶対にいきまないこと

を指示され、とにかく「これから強い痛みが来ても、絶対にいきまないこと」と念を押される。

「破水してるから、赤ちゃん通る道ヌルヌルになってるからね」

「痛みが来たらとにかく鼻から吸って口からゆっくり吐いて。ンーーッて力いれるのは絶対にダメ!トイレとかでもとにかくそういうのは無しだからね!」

「裂けるよ!」

「無事に帰りたいでしょ?」

はい。無事に帰りたいです。気をつけます。

ついに陣痛が始まる

陣痛スタート

【3:00】

待合室にいた夫と合流。一番安い6人部屋を希望していたけれど、空きの都合で3人部屋に。隣のベッドが空いていて気がラク。

看護士から入院についての説明を受け、夫の連絡先や通勤にかかる時間なども確認される。

「じゃあ旦那さんはちょっと喋ったら帰ってね」と言われて看護士が去り、ふたりでやっと一休み・・・少し話した後、夫帰宅。

トイレに行くと、おしっこの後でバシャバシャ羊水が出る。できるだけ力入れないように気をつけないと。

【5:30】

眠れないので経過をメモしながら時間をつぶす。たまに痛いような気がする。

【6:00】

今までよりだいぶ強めの痛みが出てくる。4~10分くらいの不定期間隔。

声はギリギリ我慢できるけれど、呼吸を整えてなんとかフーッフーッと耐えるかんじ。1分半~2分程度でスーッと痛みが引く。耐えられるレベルではあるし間隔も不定期なので、記録を取りながら我慢する。

胎動は変わらず元気いっぱい。体温を測るよう院内放送が入る。

【7:50】

朝食。ちょいちょい来る痛みに邪魔されながら食べる。

【8:00】

看護士が回ってきたので朝食中断。脈の測定、トイレの回数を確認される。

痛みについて相談すると、

  • 一定間隔の陣痛、強い痛み、出血、痛くて我慢できないときなどは呼んでOK
  • 初産だし子宮口もまだ開いていなかったから、ここからまだ時間がかかるはず

とのこと。

【8:30】

痛くてウーウーうなりつつ、ようやく朝食を食べ終わる。入院荷物を整理しようと頑張るが、痛みで中断するためなかなか進まない!

立ち上がるたびにバシャッと羊水が出る感覚がある。産褥ショーツをのぞいてみると、お産パッドがピンクの水でビショビショになっているのが見える。

交換したい、でも看護師さんに「お産パッドの枚数はギリギリしか入ってないから、できるだけ長く使いな」って言われたしな・・・悩んでいるうち、産褥ショーツも汚れていることに気づく。やばい、二枚しか持ってきてないのに!

悩んだ末、手洗いすることにする。ついでにお産パッドも替えてスッキリ。

痛みが強くなってくる、子宮口1.5cm

【9:40】

たまにすごく痛い波が来る、間隔は変わらず不定期。必死で息を吐き、布団をボスボス叩いて耐える。

痛みを我慢していると、羊水が漏れてくる間隔あり。どんどん減ってるけど大丈夫なのか?ちょっと心配。1分半で痛みはスーッと引く。

【10:10】

内診のため、一階の内診室に移動するよう言われる(病室は二階)ちょうど陣痛が来ているタイミングに当たり、ヨロヨロしながら階段を降りる。

子宮口は1.5cm、まだまだかかりそう。羊水がバシャバシャ出る件を相談すると「破水しているからしかたがない、大丈夫」とのこと。

トイレでおしっこをすると、今まで以上にバシャバシャ羊水が出てくる。パンツを履くタイミングが難しいレベル。羊水はヌルッとしていて不思議な感覚。

【10:45】

痛みの波が来るとき、ツツツツツーッと張ってくる前兆がわかるようになる。グーッと子宮が固くなるような感覚。

徐々に足の付け根も痛くなってくる。

【10:55】

分娩室でモニターチェック。

痛くて手がさまよう。指を動かしたりベッドをトントン叩いたりして、どうにか痛みを逃がすのに必死。が、モニターの波を見た看護士いわく「今の痛みなんて全然」だそう。

中の人はその間もグニョングニョン動く。

看護士に「旦那さんいないけどいいの?心細かったら付き添ってもらいな」と言われる。さっきの看護士は面会時間しかいちゃダメって言ってたのに!話が違いすぎる。

強くなる痛み、間隔はなかなか安定せず

【11:50】

昼食。4~6分間隔の痛みに邪魔されまくり、なかなか食べられない。

朝食の時は同室の人を気にして声を我慢していたけれど、そんなレベルじゃなくなってきた。「フゥーーーーッ」とか「ウウウ…」とか声が出る、我慢無理。

痛みがグァーーッと来てる時は、立ったまま椅子に手をつき、腕立て伏せのように肘を曲げながら息を吐く。これが今のところ一番ラク。

【12:45】

勇気を出してトイレ(大)に挑む。陣痛が来ていないタイミングを狙い、できるだけ力を入れずにどうにか。こわい。

直後に痛みの波が来てパニック、トイレに座ったまま必死で耐える。

【12:50】

夫から電話。仕事は切り上げ、家に寄ってから来てくれることになる。しゃべりながらも痛みの波が来る。痛い。

とにかく多めに息を吸って、長ーーーく時間かけて吐くよう意識する。それでも痛いけど!痛いけどとにかく力入らないように必死。

【13:05】

看護師さんが回ってきて脈を測る。ちょうど波が過ぎた後でグッタリ。「痛そうだね」と微笑まれる。

痛みは4~5分間隔。

【13:15】

痛いよーーーこんなもんじゃないんだろけど痛いよーーー冷や汗出る・・・痛い・・・

自分がそんな痛みに弱い人間だと思ってなかったけど、まだまだなレベルでこんな痛いなんて私が弱すぎるんじゃないか・・・とやや凹みつつある。

いやでもとりあえずここまで来たし、夜中あのまま家に帰されてたかもしれないことを思えば、今のがずっといい。大丈夫。大丈夫。

【13:45】

4~5分間隔だった陣痛が7~8分に遠ざかっている。痛みの感覚があくのは助かるけど、お産が遠ざかるのは困る。痛いようー

長くても2分耐えれば終わる、けどまたすぐやってくる・・・痛いー布団ガリガリして耐えてるけど痛いよー涙出て来たよう

【14:00】

初めて「いきんじゃう」感覚?らしきものがわかる。痛くて力入っちゃいそうなかんじ。息吐いてこらえる。お尻高く上げて上半身つぶれて耐えるのがいまは一番マシ・・・

(ホントの『いきんじゃう』はこんなもんじゃないことを後で知ることになりました)

子宮口2cm

【14:25~15:00】

内診とモニターチェック。子宮口は2cm。まだ2cm!

痛くなったらとにかく息を吐いて痛みを逃がすよう言われる。いたい。いたい。看護士に「早ければ今晩会えるよ」と言われる。ほんとに!?

いたいよー張りはまだまだなのに痛い。内診しながら、なんかもうよくわからんくなって泣く。痛み一回一回が長い。

【15:45】

おやつ。まだ先は長いかもしれない、食べなきゃ。でも痛い!でも食べなきゃ!

カステラを3つに割り、無理やり口に突っ込む。その瞬間に波が来て、無理やり飲み込む。とにかく必死で食べる。

【16:00】

どうにかして痛みを逃がそうといろいろな姿勢を試す。

うつ伏せでおしりを高く上げ、上半身をベッドにべったり付ける。そのまま壁際に手を伸ばして枕を押す。謎の姿勢で少し痛みが逃せることに気づき、何回かそれで痛みの波を凌ぐ。

だんだん効果がなくなってきたように感じる、枕をドンドンドンとリズミカルに押し、その反動で腰をユラユラ揺らす。少しマシな気がする。痛い。

あやしいポーズで揺れているところで、ようやく夫が到着。が、そちらを振り返る余裕すらない・・・

とりあえず手を握ってもらう。というか私が握りしめる。頭撫でてくれる。夫の顔を見ることすらできない。枕がわりのバスタオルに顔埋めたまま、涙がボロボロ出る。

陣痛間隔は5~9分、でも毎回4分くらい続くから休みがない。キュウウウーーーーッとお腹の一点に痛みが集まっていくかんじがする。

夫到着から15分近く経ち、やっと夫の顔を見れた。

私:ひさしぶり・・・

夫:半日ぶり?(笑

笑おうとするも、また痛みの波が来る。いたいいたいいたいいたいーーーっっ!陣痛カウントアプリの操作すらできない、夫にスタートボタンを押してくれるよう頼む。

【16:55】

内診のため一階の内診室に来るよう言われ、夫と一緒に向かう。が、痛みで階段を降りられない!手すりを持ったまま動けない!

通りかかったおばあちゃん助産師さんが「あらー!大丈夫大丈夫、みんなこうやって生むんだからね!ハイハイ!」と背中をさすってくれ、その部分だけちょっとラクになり、体が動かせるようになる。

「ちゃんと下見てね!」と言われながらどうにか階段を降り、「ハイ、ここで待ってようね!」とソファに座らされる。

目が虚ろだったせいか「こっち見てごらん!お母さんになるんだよ、ほら、ね!」と頭を撫でくりまわされる。目があってニッコリ微笑まれ、泣きそうになりながら少し笑顔を作れる。

子宮口3cm、分娩室へ移動

【17:00】

内診を受ける。子宮口は3cm。

こんな痛いのにまだ3cm・・・と絶望しかけたところで、医師が「でも赤ちゃん降りてきてるから分娩室入っちゃおう」と話しているのが聞こえる。マジで?いいの!?

助産師(看護士?)と夫に付き添われて二階の分娩室へ!が、すでに分娩中の方がいたため部屋に戻されることに・・・ショック。

痛みの波が来ると汗がやばい。手も髪の毛も汗でビチョビチョ。夫が顔の汗を拭いてくれる。汚いと思われなくてよかった・・・と安心する(心の中は妙に冷静)

とにかく痛い。キュウウウーッッとおへそ辺りの一点に痛みが集まっていく感覚。

「あっ、あっ、来る来るイタタタタタッッ、フーーー、フーーーーッ」

大きく息吸い込んでは長ーく吐き、なんとかして痛みを逃がす。

鼻から吸って口から吐くのが理想?らしいけれど、できないので吸うのも吐くのも口から。吸うときに「スゥウウウウーーッッ」と音をたてると少し気が紛れる。

痛みの波は一回ずつが長くなり、そのせいで間隔も短くなる。陣痛アプリでカウントする余裕もなくなり、とにかく痛い。終わったと思ってもまたすぐに痛くなる。

「痛いよう」とどうにもならない声を絞り出す。夫が助産師さんのように背中をさすってくれたけれど、なぜかむしろ痛い!手の温度が無理!!

触られた瞬間にコレジャナイ!となり「頭にして!(頭をなでて)」と叫ぶ。トントンと撫でられる感覚がまた無理で「ナデナデにして!」とさらに叫ぶ。

とにかく波を乗り越えるしかない。たまに格別痛いのが来る。握っている手に力が入る。「イタイイタイイタイーーーーッ」と声が漏れる。

病室にいた子どもがカーテン越しに「誰が泣いてんの?」と話しているのが聞こえる。

このあたりから痛みの合間にウトウトしていた?記憶がぼんやりしている。波を一回越えるごとに出産に近づいとるんや・・・ただあと何ターンあるんかわからん・・・と考えていた記憶。

痛みの合間、夫と会話をする。

私:ボロボロやな私・・・幻滅せんといてな・・・

夫:ボロボロになるまで頑張ってくれとるんやろ、すごいよ

私:私と結婚してよかった・・・?

夫:うん、よかったよ

私:怖いけど?

夫:怖いけど(笑)でもいつも感謝しとるよ。これから今までで一番の感謝が来るかな

話しているうちに今までで一番の痛みが来て、「ナースコール押して!」と叫ぶ。そこから2回目の波で助産師さん登場。

「アララー痛いねー!」と軽くさすられ、「みんな痛いのよー大丈夫!痛くない間に分娩室行こう!」と言われる。

「今から晩ごはん来るから!これじゃ食べらんないよね、もったいないし旦那さん食べといて!」と言われ、夫は部屋に残ってご飯休憩。

陣痛ラストスパート、体が勝手にいきむ

【17:30?】

分娩室に入り、モニターを付ける。

助産師に「痛くなってよかったね、じゃないと進まないからね!」「痛いのは嫌だけど、出産だけは痛いのがいいことだからね!」と言われる。

痛いのはいいこと、前も言われたな・・・もはや刷り込みみたいだ。でも実際、自然分娩が進むためには痛みが必要なのも事実。「うん、痛くなってよかった」と笑顔で答えられた。

ここでまた痛みの波が来る。

私:イターーーイッ!・・・フゥーーーーーッッ、フゥーーーーーッッ

助:いっぱい酸素を吸ってあげなきゃ!ほら、赤ちゃんの心臓聞こえるでしょ?ママが苦しいと赤ちゃんも苦しいよ、痛かった後はいっぱい酸素吸ってあげるの!

とにかくしんどい。痛い。たまにウトウトするも、痛みで引き戻される。

「おしりの下にこれ(シート?)敷くよ、ちょっと腰あげて」と言われたけれど、痛みで体が動かせない。もう泣きたい。

私が動けないことに気付いた助産師が「大丈夫だから!私たちの言うことだけやればいいからね、信じていいから」「怖がってたらもったいないよ!」と声をかけてくれる。

“怖がってたらもったいない”

このフレーズが頭の中にスッと入ってくる。怖がってたらもったいない、言うことだけやればいい、大丈夫。

私:赤ちゃん、今日中に会えるかなぁ?

助:痛くなったらね!痛くならなかったら明日かなー

痛くならないと生まれない、痛いのは怖くない、本当は怖い、でも長引くほうがツライ、痛くならないほうが困る。よくわからないけれど、理屈で理解する。

お股の毛を剃られ、導尿カテーテルを入れられる。陣痛が痛すぎるせいか、導尿は無感覚すぎて怖いくらい。

「あ、また痛みの波が来た!痛い!」

そう思った瞬間、急に『いきむ』感覚が来る。痙攣するみたい、ギュギュギュッと勝手におしりに力が入っちゃう!

「だめ、出ちゃう!いきんじゃう!あああぁっ!!出ちゃいます!」と言うと、助産師さんに「いいのよー、お産が進んでる証拠!」と笑顔で返される。

動揺しすぎたせいか?すぐに波が終わる。

私:あの、すみません、たぶんちょっとウンチが出ました・・・

助:ちょっと見てみようね、大丈夫よ!

結局どうだったかは不明、たぶんササッと拭いてくれたんだと思う。

もうひとりの助産師さんが来る。

「進んだ?」「んー、あら全開(笑)」「先生呼ぶー?」「はい、酸素付けるからねー、ご主人呼ぼうねー」

ふたりの会話を聞きながら、え?そんな段階なの?とビックリ。

私:あ、あ、また来た!力入っちゃいます!!

助:いいよー。でも「ンーーーーッッ」って力入れるのはだめ。「フーーーーーーー」って息はいた後「ンッ」ってすればいいから。ウンチが出てもいいからね、同じ感覚だから、大丈夫だからね。「フーーーーー、ンッ」ってするんだよ

ンッッてなんだよ?!よくわかんないけどいいの?いきんでいいの?力入るの我慢しなくていいの?よくわかんない、でもなんか体に任せていいらしい!?

あーまた波が来る!

助:そうそう、「フーーー」って吐いて。最後に「ンッ」って力いれてごらん

痛い、痛い、痛いーーーでもそこは必死で息吐いて逃す。そのあとに体が勝手にいきもうとする。流れに乗って「ンッッ」って力を入れる。

助:頭が見えてきてるよー!頭がちょっと出て、ひっこんで、また痛い時に「ンッッ」ってすると出てくるから。そうやってちょっとずつ出てくるんだよー

あーまた痛くなる!

助:そうそう、できてるよー大丈夫!

フーーーーー、ンッッッ!!

赤ちゃんを乗せる台の保温?が始まる。もうそんな段階なんや?嬉しいけど夫が来るまでに生まれちゃうんじゃ!?と焦る。

痛みの合間に「彼は!?」と聞くと「今呼んでるよー準備とかあるのよ!」と笑われる。いやでも!勝手にいきんじゃうし、早く!!

【18:20】

ようやく夫が分娩室に到着。

助産師さんが「あ、旦那さん!そこにあるエプロン付けてねー」と声をかけている。ゆる!そんなテキトーなかんじなの?

ていうか、私の下半身ほぼ丸出しなんやけど!バスタオルが一枚掛けてあるだけ、見えちゃうでしょこれ!いやもうどうでもいいけど!!

いろいろ気になることはあるけれど、とりあえず夫が頭をなでてくれて安心する。

助「旦那さんきてくれてよかったねー!だからお産が進んだんじゃない?」

夫「え、そんな進んどんの?」

私「なんかもう頭見えてるって」

夫「え?!!」

そうこうしている間に院長が到着。ここから急に雰囲気が変わり、ガチなお産ムード(?)になる。

お股のところに院長、その両サイドに助産師ふたりが付く。院長が「息吸ってー」とか言ってるけどよくわからず、今までと同じように息を吐いていると「そうじゃない、違う!ダメ!!」と怒られる。

院長こえぇ!今までの診察の時と雰囲気ちげえよう!!

ビビったことで正気に戻ったので結果オーライ。言われてることをやろう、ちゃんと聞こう。よく考えたら今そんな痛みは強くない、と考え直す。

院長:おしりをしっかり椅子につけて!息は吐かない、はい今止める!

助:おっきいうんこ出すと思って!!そうそう!

そうだ、足で踏ん張るんだった、レバーをしっかり持って、自分の方に引っ張る!うんこ出すときってどんな感覚だっけ、これか?これだ!

母親教室で院長が言ってたことが頭に浮かぶ。

おしりをしっかり椅子につける、足はかかとで足置きを蹴る、レバーはまっすぐこっちに引っ張る、お腹を見る。ちゃんとできるやん!てか今までの陣痛と比べたらそんな痛くないし!

参考記事:両親学級で産科院長に聞いた出産アドバイス・いきみ方のコツ

言われてることがちゃんと聞こえる。とにかく言うことを聞く、言われたままやればいいんや!模索しながら終わり見えずに戦う陣痛とは違う、今の方が全然いい!!

先生が手を中に突っ込んだ?なんかわかんないけど痛い!でも陣痛に比べたら全然耐えれる!

と思った瞬間そのあたりが熱い!会陰切開か?まぁそんなんどうでもいい、元から痛いから特に痛みは感じない!

院長:今から2回深呼吸するよ、そのあと止めるからね!ハイ、吸ってー吐いてーー吸ってー吐いてーー吸ってーーーはい止めて!!そのまま力いれて!そのまま!もっと!!

何か大きいものが出てくる感覚!痛みはそこまで感じない!!

院長:ハイもう一回!吸ってー吐いてー、3回目で止める!そのまま!もっと!!もっと!!

体がプルプルする!自分を外から見ているような不思議な感覚、あとは出すだけ、もうちょっと!

夫:頭が見えた!!

夫の声が聞こえる!

助:よし!もういきまない、もういいよ!ハッハッハッって短く息を吐いて、そうそう上手!

頭が出たのか?終わった?え?考えているうちに、ドルドゥルドゥルゥーーンとなんともいえない感覚で何か出てくるのがわかる。

体が出た?そう思った瞬間、赤ちゃんの姿が見えた!!

出産、息子との対面

【18:30】

「ホギャア」と息子の声が聞こえる。泣いた!よかった!本当によかった・・・

「ホギャ、ホギャブクボギャ・・・」

あれ、羊水でおぼれてる?大丈夫?でも特に問題なさそう、安心感もあってちょっと笑える。すぐにまた泣き始める、声が大きい!!

私:あの!夫に先に抱っこさせてあげられませんか?

助:旦那さんはキレイにしてからね!

私のお願いは一瞬で却下された(笑

胸の上に紙が置かれ、その上に血がついたままの息子が乗せられる。何だこれ、重い!!

私:はじめまして・・・!

一瞬で息子は回収され、血を拭いてもらったりおしりから体温を測ったりと忙しい。夫は写真撮影。

院長:じゃあ胎盤出しちゃうねー

来た、後産とかいうやつ!実際の出産よりこっちが痛い人もいるって聞いたことあるぞ?うまく出てこなかったら腕まで突っ込んで取るとか聞いたこともあるしこわいこわいこわいー!!

頭はフル回転するも、何をされているかはよくわからず。とりあえず無事に終わったらしい。

助:ここから子宮が収縮してちっちゃくなってくからね、痛いよー!

肩に何かを注射される、痛み止め?わからないまま終わる。

息子は隣の部屋へ移動。夫も撮影のためそちらに行ってしまい、急に不安になる。息子の泣いている声が聞こえるのでちょっと安心。

院長:はい、じゃあ今からおしもを縫いますねー

これが意外にチクチクして痛い。

「痛いよー」とうめいていると「しかたない、麻酔してあるけど完全にってわけじゃないからねぇ(笑)」と言われる。

麻酔はいつの間にしたんだろう?お股が熱くなった瞬間が痛み止め注射だったのか?これまたわからないまま。意外と縫うのに時間がかかる、地味に痛い!

そうこうしている間に息子と夫が戻ってくる。息子を観察していると縫う痛みが紛れる。「溶ける糸だから抜糸はいらないからね」とのこと。

助産師さんが息子の身長を測り、服を着せてくれる。そしてついに夫が抱っこ。

夫:重い!かわいい・・・あ、指にぎった!・・・目があいてきた!!

すでに息子に夢中な夫。とてもとても嬉しそう。それを見ていたら、あぁついにここまで来たんだと涙がでる。

「いつか夫に我が子を抱っこさせてあげたい」ずっとそう思ってきた、ついにその瞬間が来たんだ。

私:名前は予定どおりでよさそう?

夫:うん!

私:じゃあこの子の名前は○○やな!

助産師さんが「かっこいい名前!」と言ってくれ、そこから息子を名前で呼んでくれる。嬉しい。

分娩台から車椅子に降り、息子を抱っこ。脇腹あたりで足をごにょごにょ動かしている感覚は胎動と同じ!助産師さんたちが「かわいい子だね」「うん、かわいいね!」と言ってくれる。嬉しい・・・!

病室へ戻る、後陣痛

息子とはここで一旦バイバイ。飲み薬(痛み止め・抗生物質)を渡され、車椅子を押してもらって部屋に戻る。二時間は横になっているようにとのこと。

夕食を食べそこねたので、助産師さんから「旦那さん、なんか食べるもの買ってきてあげてね!」と言われる。いやいや食欲ないよー!

夫は「ちょっと写真撮ってくる!」とさっそく新生児室へ。ガラス越しに息子が見られるらしい、すごく嬉しそうで私も幸せ。

出産が終わって痛みから開放かと思いきや、また陣痛と同じ痛みが来る。

これが『後陣痛』ってやつか!さっきさんざん苦しんだやつやん!陣痛に比べれば頻度が低いし時間も短いけど、まだ痛いの我慢せなあかんのかー!イヤー!!

でももう自分ひとりの体だからちょっと気がラク。「いきんだら中の人に影響が」とか考えなくていいもんね、そう思うとさっきまでは本当に大変だったなぁ・・・

助産師さんが産後の経過チェックに来る。

悪露の量と子宮の固さを確認、お腹を押して中の悪露を出し、お産パッドを交換。経過は順調とのこと。その後も何回か同じ経過チェックがある。

夫におにぎりと吸うタイプのこんにゃくゼリーを買ってきてもらい、ここで夫は一旦帰宅。

【22:00】

やっぱりお腹が空いてきた。買ってきてもらったものを食べる。後陣痛は痛いけど、もう陣痛アプリで測る必要もないんだなぁ・・・不思議な感覚になる。

【23:00】

筋肉痛?急に足がだるくなってくる。体がだるい。本当に終わったんだなぁと改めて感じる。

立ち会い出産について

最後に、立ち会い出産について。

するかしないか私はずっと悩んでいました。絆が深まるから絶対に立ち会ったほうがいいとか、いやいやセックスレスの原因になるからやめたほうがいいとか、いろいろな意見を聞いたり読んだりして、夫とケンカもして・・・

最終的に、立ち会ってもらうことを選びました。こちらもTwitterに書いていた内容を載せておきます。

夫目線の立ち会いレポ:『嫁の姿』を目に焼き付けろ!男の立ち会い出産記録

妊娠中に思っていたこと

妊娠する前から「立ち会い出産をしたことで奥さんを女として見られなくなった」という意見をよく聞いて、どうすべきか悩んでいた。

当時は夫との関係も安定しておらず、出産という極限の場面で彼の存在はむしろ悪影響なんじゃないかとすら思っていた。気を遣ってしまったり、嫌われるんじゃないかと怖くなったり・・・彼がいることで余計な感情が生まれるんじゃないかと不安が大きかった。

立ち会い出産をやってみて

私の出産は破水から。夜中に入院し、朝から少しずつ強くなっていく陣痛。

はじめは「夫に来てもらうのはもっと後でいいかな、生まれるときさえ見せられればいいや」くらいの気持ちだった。でもだんだん陣痛が強くなるにつれて「今ここにいてほしい」と思い始めた。

彼が着く時間がわかってからは、何回も時計を見ながら「早く、早く来て」と心の中で唱えて涙が出た。

病院でひとりはとにかく心細い。

大きな声を出すと同室の人に迷惑なんじゃないか、赤ちゃんのためにもっと頑張らなくちゃいけないのにどうしよう、そんな事を考えながらとにかく耐えるしかなくて、ツラかった。

でも彼が来てくれることを考えただけで「甘えられる」ような感覚。メソメソ泣いて「痛いよー」と言うことを許されるような気がした。

結局、それまでの妊娠生活の積み重ねなんだと思う。それまでの約10ヶ月間をどんな風に乗り越えてきたか、それ次第で「立ち会い出産」の感覚は変わる気がする。

ずいぶんケンカをした、しんどいこともたくさんたくさんあった。けれど、私たちふたりにとってはこの期間が必要だったんだと改めて感じた。

彼が病院に着いてから出産までは2時間半。時間としては短かったけれど、一番しんどいときに一緒にいてくれたこと、手をにぎって汗を拭いて声をかけてくれたこと、とても嬉しかった。

いざ分娩室に入っていきみ始めてからは、助産師さんと先生と私だけの世界。正直なところ、彼はほとんど視界に入らなかった。

でも、横にいてくれる気配と声を感じられるだけで心強かった。

妊娠前からずっと「彼に我が子を抱かせてあげるんだ」と思い続けてきた。いきみながら心のどこかで「見とけよ!パパにしたるからな!」という気持ちもあった気がする。オトコマエやなぁ私。

出産翌日の朝、彼にLINEを送った。

立ち会い出産をしてくれたお礼、でもこれから女として見てもらえなくなるんじゃないかという不安、それでもやっぱり立ち会ってもらって嬉しかったこと・・・ありのまま、素直な気持ちを送った。

彼からの返事を読んで、泣いた。

「立ち会えてよかった、人生で一番感動した、嬉しかった」

「子どもの頃からの夢だった自分の子供を、産んでくれてありがとう」

「改めて、ヒナが妻で良かった」

「これから大変だけど、3人で頑張ろう」

立ち会い出産、いろんな考えがあると思う。

できない状況もあるし、向き不向きもあるし、もしウンチが出ちゃったらどうしようみたいなリアルな不安もあるし(私はこれを本気で悩んでた)、するべきとかしないべきとかそんなことは言えない。

ただ私の場合、立ち会ってもらって本当によかったと思っている。

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